店舗(リアル)とネット(バーチャル)の融合

ショウルーミング

 

「ショウルーミング」とは店頭で下見だけしてネットで購入するという消費者行動のことだ。この動きは家電製品を中心に急速に広まっている。価格ドットコムの情報提供がこの動きに大きな貢献をしている。

ショウルーミングはいまでは家電製品を超えてアパレルやその他の商品にも拡大している。そしてこの動きは店舗からネットへの一方的な顧客行動だけでなく、店舗とネットの双方向型の顧客行動に移行しつつある。

 

店舗とネットの融合

 

「ネット通販は価格比較が簡単にできるが、商品の使用感などを確かめるのは難しい。一方で店の在庫には限りがあり、好みの色柄やサイズがそろっていないことも多い。こうした消費者の不満を解消するため、売り場を活用しながらネットの利便性を取り込むサービスが広がってきた」。(日経新聞2013.12.26

 

店舗とネットの融合の基本形はこうだ

 

アパレルを例にとると、まずはチェーン店の全在庫の情報を消費者がネット上で閲覧できるサービスが基本になる。消費者は店舗で気に入った商品を手に取って質感を確かめたり、試着をして着心地やフィット感を確認する。そのうえでネット上の在庫を確認してサイズや色や柄の選択を行って購入できる。

またネット通販で買った商品を自宅や勤務先の最寄りの店で受け取れるようにする。これが基本形になる。全国に約300店あるユナイテッドアローズが指向しているのはこの形だ。

 

ショウウインドウ型店舗の出現

 

全国に600店出店している「クロスカンパニー」はこの基本形に加えて商品選びに用途を限定した店舗を東京都内の繁華街に出店する方針を固めた。ネット通販を前提としたショウウインドウ型店舗の出現と言うことになる。

店舗には商品選びやコーディネーションを顧客にアドバイスするスタイリスト並みのスキルを持った店員を通常店舗より多く配置し、顧客接点でのサービスを濃厚なものにする。

また通常店舗に比べて在庫を極力抑え売り場効率を高度化する。省スペースのため店側も賃料の高い場所や駅ナカなど広さに限りがある施設にも機動的に店を出せる利点を追求できる。

 

どこまで進化するか

 

これらの融合型はまだまだ序の口に違いない。進化型が目指すところは商品の生産流通システムのイノベーションだ。リアル在庫を店舗だけに置くだけでほとんど持たず、ネット上にカタログだけを揃えておく。もちろん色も柄もサイズも多彩にそろえておくことができる。

そのうえで、店舗で手にとり、試着したりしたうえで消費者はネット上のカタログから気に入った商品を、色、柄、サイズを指定して注文する。注文を受けた商品は一個作りで翌日には生産され、店舗なり自宅に届ける仕組みが普通になる。

消費者は自分好みのカスタマイズさえ指定することが可能になることすら夢ではない。