中国バブルの終わりの始まり

危機一髪でデフォルト回避

投資先の山西省の採炭会社の倒産でデフォルトになりかけた、元本30億元の理財商品は第三者がこれを買い取ることで危機を回避した。

「元本返済の対象になったのは大手信託会社の中誠信託(北京市)が運用していた理財商品『誠至金開1号』。2011年に設定され、販売会社の中国工商銀行が約700人から30億元(約500億円)を集めた。だが投資先だった山西省の採炭会社が資金繰りに行き詰まり、今月末の償還が危ぶまれていた」。(2014/1/29付日経新聞)

北京政府の指示で山西省政府が動き、未然に債務不履行からの脱却を図ったということだ。

デフォルト回避の悪循環

今回のデフォルト回避が行われなかったら、投資家による取付け騒ぎが起こり、それがさらに他のリスクの大きな理財商品の償還請求にも波及し、金融市場は大混乱を起こしたに違いない。

同時に今回デフォルト回避がなされたことによって二つのモラルハザードを招いてしまったことになる。

一つは投融資先が破たんしても政府が救援の手を差し伸べてくれるとの読みから、実質破たんしていると融資先を破たんさせて、政府からの補償を得ることを目論むというモラルハザードだ。

もう一つはリスクの大きな理財商品であっても実質的に元本が保証されるという読みから、ハイリスクハイリターンの理財商品が今後も販売されるというモラルハザードだ。

二つのモラルハザードが引き金になって、次々に破たん懸念商品が明るみに出てきて、その都度政府がデフォルト回避の資金投入を行う悪循環が生じることになる。

理財商品は3兆元に達する

「中国銀行業協会によると、昨年9月末の理財商品の残高は銀行販売分のみで約9兆9千億元(約170兆円)だった。英金融大手スタンダードチャータードは『数字が過小評価されている』と指摘。2015年には残高が30兆元に達する可能性があるとみている」。(2014/1/29付日経新聞電子版)

全ての理財商品がハイリスクハイリターンではないものの総額30兆元に達することを考えると、今回のデフォルト回避は予想もつかないカタストロフィーの引き金を引いてしまったことになる。