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17日 2月 2014

書評:手島龍一、佐藤優著「知の武装」(新潮新書)

 

中国は尖閣諸島を奪い取る意思を固めている

 

 

 

佐藤優氏の次の仮説はきわめて説得力がある。

 

「2010年9月に起きた海上保安庁の巡視船への中国漁船衝突事件以降、中国は、本気で尖閣諸島を奪い取る意図を抱くようになったとみていいでしょう」。

 

そして佐藤氏は、中国のこの方針を巡って、中国外交部と軍・国家安全部との間で深刻な権力闘争が起きていると見る。その象徴が朱建栄氏の拘束だという。

 

「朱建栄さんは日本のスパイで、中国外交部に日本のスパイが浸透しているというのが、国家安全部の理屈なんです。中国外交部は『尖閣棚上げ論』などという腰抜けの提案を持ち出して、日本に媚びへつらっている。朱建栄さんは日本の大学に留学し、日本人女性と結婚し、日本に長く住んで日本の大学で教えている。そういう中国知識人は朱建栄さん以外にもたくさんいる。そんな連中は信用できないと国家安全部が考えているんです」。

 

「海洋戦略はこれからの中国にとって死活的に重要な問題ですからね。だから、中国の国益を保全できないような連中に対外政策を全て委ねるのではなく、軍と国家安全部、そしてインテリジェンス部門が主導権を握るべきだと考えているのです。これは一種の権力闘争とみるべきでしょう。ある中国人の親しい人間に連絡したら、『朱建栄さんはやっぱり挙動がおかしかった』とか『尖閣問題が起きてから軍に関する情報にひどく関心を持った』とかいうんです。スパイ説に与する流れになっている」。

 

 

 

尖閣問題解決の鍵は沖縄にある

 

 

 

中国の尖閣諸島支配の意図を打ち砕く切り札は沖縄にあると佐藤氏は見る。

 

沖縄は天皇制の支配下にあったことがないという意味で、日本の実効支配下にはあるけれど、日本固有の領土ではないという独特の認識が佐藤氏の仮説の前提にある。

 

したがって沖縄県民をないがしろにする政策のごり押しは、沖縄県民を日本政府に対する敵対方向へと向かわせ、日本からの離脱を選択するところへ追い込むとも限らない。

 

中国はこの辺の事情を敏感に察知していて、沖縄独立の方向への支援を意図してさえいる。そしてその先には尖閣諸島のみならず沖縄そのものの領有の狙いが隠されていると見るべきだ。

 

佐藤氏は尖閣問題の解決は福建省と台湾と沖縄の三者の地域主権の問題として現実的な解決を目指す以外にはないという。これ以外の方策はいずれ軍事衝突に帰着せざるを得ない。そうでなければせいぜい緊張状態の恒久化が唯一の選択肢にならざるを得ないということだ。

 

 

 

韓国との関係改善は不可欠だ

 

 

 

中国の尖閣諸島領有化の意志が固いとしても、なんとかその実力行使を防ぐ手立てを万全なものにしなければならない。

 

そこで不可欠なのは中国に脅威を感じるすべての東アジアの国々と地域との連帯だ。南沙諸島をめぐって緊張関係にあるフィリピンやベトナムはもちろんのこと韓国とも友好関係を深め、同盟国のアメリカとともに中国包囲網を完ぺきなものにしなければならない。

 

したがって安倍首相の自己満足のためだけにしかならない靖国参拝などはもってのほかと言うことになる。

 

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