アメリカの金融緩和縮小は世界経済の成長を阻害する

 

アメリカの金融緩和縮小はG20の争点から外れた

 

 

 

「成長目標に注目が集まる中で、米量的緩和縮小はやや争点から外れた。声明は引き続きその影響を注視するとしながら、『しかるべきタイミングで正常化すべきだ』と黙認する姿勢を示した。

 

『市場は計画的な緩和縮小を消化済みだ』。米連邦準備理事会(FRB)はG20関係国に周到に根回し。ルー米財務長官も18日に『最優先課題は成長促進だ』との異例の書簡を関係国に送付。『緩和縮小に焦点を当てないでほしいという圧力』(国際金融当局者)だ。

 

関係者によると、イエレンFRB議長は2日間の討議の場で積極的に緩和の出口戦略の進め方について説明。各国から理解を得る姿勢をにじませ、無難なG20デビューとなった。

 

市場がやや落ち着いたことで新興国側もあからさまな対FRB批判を控えた。通貨不安に見舞われたインドネシア高官さえ『新興各国は宿題をなし遂げる必要がある』と指摘。ただ、『金融市場の混乱回避抜きには成長目標など意味がない』(ネネ南アフリカ副財務相)との声もくすぶる」。(2014.2.24日経新聞)

 

 

 

金融緩和縮小は世界経済成長の阻害要因だ

 

 

 

G20では世界経済の持続的な回復を目指して議論が集中したとされる。しかし目下の世界経済の焦点はアメリカの金融緩和縮小に伴って、新興国から資本逃避が発生し、新興国が通貨不安に陥るということにある。

 

従って世界経済の成長はこのアメリカの金融緩和の出口戦略が大きなカギを握っているはずなのだ。

 

 

 

アメリカの金融緩和は新興国経済を刺激した

 

 

 

アメリカの金融緩和はリーマンショックからのアメリカ経済の脱却を目的に実行された。しかしFRBから供給されたマネーはアメリカの投資活動を刺激することにはつながらなかった。

 

リーマンショック以後、個人も企業も負債の削減に必死に取り組み、バランスシートの立て直しに向かった。従って過剰に供給された通貨は住宅投資や設備投資には向かわず、新興国に向けた投融資に向かった。新興国こそ社会インフラや企業設備に関わる投資資金を渇望していたからだ。

 

こうしてアメリカの金融緩和によるマネーは新興国に供給され、新興国の経済成長を導いた。また新興国の経済成長は先進国に対する需要を喚起し、世界経済は好循環を実現した。

 

 

 

経済政策はグローバルモデルで構想しなければならない

 

 

 

アメリカの金融緩和はアメリカ経済を直接に刺激することはできなかったが、新興国の経済成長を刺激することで世界経済の成長につながり、結果として間接的にアメリカ経済の成長をも刺激したことになる。

 

したがってアメリカの金融緩和縮小は、この好循環が逆噴射によって悪循環に落ちることを意味する。

 

経済のグローバル化は一国経済の経済政策がもたらす影響を、閉鎖的なモデルを超えてグローバルモデルで構想しなければならない。

 

この文脈で考えればアメリカの金融緩和縮小は世界経済の縮小につながることになる。