書評『ヤンキー経済』(幻冬舎新書)

 

ヤンキー3.0とは

 

 

 

今の若者の一部の姿を活写した実に面白い本です。

 

今のヤンキーは昔のヤンキーとは全く違うのです。とにかくマイルドなのです。上昇志向や上京指向はまったくありません。自宅から半径5㎞以内の範囲でひたすら小中学校時代の仲間と家族ぐるみでのお付き合いをしています。

 

こうした若者たちが大都市の周縁部で生息しているということです。著者は彼らの生態を密着調査で調べ上げました。

 

こうしたヤンキーを筆者はいわゆる不良であった昔のヤンキーとは全く違う種族として、ヤンキー3.0と命名しました。

 

 

 

ヤンキー3.0の生態

 

 

 

ヤンキー3.0にとってイオンは夢の国です。

 

意外にも趣味はかつてオタクの趣味だったアニメ鑑賞だそうです。

 

キャラクター好きはヤンキーの伝統です。なかでもやはりディズニー・キャラクターはダントツの人気。

 

好きなアーティストは男女を問わず圧倒的にEXILEだそうです。

 

ヤンキー3.0の心震わす歌姫は安室奈美恵と浜崎あゆです。

 

車は大きければ大きいほどよいそうです。

 

電車に乗るのは嫌いだそうです。

 

家は一軒家を目指します。

 

 

 

なぜそうなんだろう?

 

 

 

例えば東京の石神井に住む地元族ヤンキーがいます。彼らは都民で、練馬区民です。しかし彼らの言う地元は東京でもなく、練馬区でもなく、石神井なんです。せいぜい5㎞四方の範囲が行動範囲です。そして石神井から池袋や新宿へ行くのでさえも嫌がります。

 

石神井でしたら都心のオフィスに勤めるビジネスマンのベッドタウンです。ビジネスマンは毎日電車で都心に通勤します。当たりまえのなんでもない行動です。

 

そんな普通の行動さえ嫌がるヤンキー3.0ってなんなんでしょう。多分彼らの親の中にはそうしたビジネスマンもいたはずです。でも彼らにとってそれは耐え難いことになっているのです。理解に苦しみますね。

 

このなぜにはこの本は答えてはくれません。それから彼らの親たちがどんなライフスタイルなのかもこの本では明らかにされていません。

 

その代わりに彼らをターゲットにしたビジネスの提案を様々に提案してくれています。ヤンキー3.0をターゲットにしたビジネスチャンスがどこにあるか惜しげもなく教えてくれています。

 

しかしヤンキー3.0の人口規模はどのくらいでしょうか。また彼らは今の若者の消費行動を考える上でどれほど参考になるのでしょうか。

 

こうした疑問にぜひ続編で応えてほしいものです。