「男性従業員がいた売り場と女性だけの売り場。どちらが顧客目線の店舗運営ができるのか。こんな検証をしているのがセブン&アイ・ホールディングス傘下の西武所沢店(埼玉県所沢市)だ。百貨店全館をほぼ女性だけの職場にして2年。売上高は増え、会議や残業の時間は激減した」。(日経新聞2014.3.22朝刊)
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140322&ng=DGKDASFE19055_Q4A320C1TY5000
好調の秘密は車座会議。売り場の係長やリーダー30人余りが、6,7人ずつの小集団に分かれて、売り場の改善進化について意見交換する。ある意味で井戸端会議の延長のような感じで特に結論は求めないが、売り場の改善進化について自由に意見交換し、提案がまとまればすぐに実行に移すことがミソ。
売り場横断で各売り場の責任者が課題を出し合いワイガヤを積み重ねて改善案をまとめていく。いわば売り場責任者によるQCサークル活動の展開だ。女性だけのワイガヤだから活発に多様な情報交換ができること請け合いだ。
「なぜ所沢店が変わったのか。単刀直入に山本まゆみ店長(51)に聞いた。『女性はおしゃべりが好き。時間を有効に使い、無駄なことはしたくない。やるべきことが理解できたら徹底する』。この原理を日常業務に落とし込むとこうなる」。(同)
会議の回数が減ったのも、会議時間が短くなったのもこれでうなずける。そして何よりも決まったことを徹底する生真面目さが組織の実行力を底上げしているのに違いない。
この試みの成果をさらに大きなものにするにはもう少し工夫が必要だ。一つは車座会議を売り場ごとでも積極的に展開することだ。売り場のスタッフ全員が自分の売り場について気付きを出し合い、改善策を自由な雰囲気で話し合える環境を整えることだ。
スタッフ全員が自分の売り場について関心を持ち、お客様に最高の売り場を作り上げるために知恵を出し合い、それを実現できればスタッフのモチベーションはいやがうえにも盛り上がること間違いない。
二つ目は売り場責任者に大きな権限を与えることだ。売り場の改装や品ぞろえやスタッフの教育についての権限の拡張だ。大きな権限を与えて失敗を恐れずに次々と仮説検証を繰り返すことが可能になればもっと大きな成果が期待できる。スタッフの車座かいぎでの提案も売り場責任者の権限で迅速に実行できれば、車座会議はさらなる進化を遂げるはずだ。
現状では売上高に対する効果はまだまだ未知数だけれど、こうした工夫を加えることで西武所沢店は見違えるように進化すること間違いなしだ。
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