日豪EPA合意は日本企業の海外農業進出を加速する

 

「日本が農業大国と結ぶ初の本格的なEPAで、日本側は協定発効から10年以内に88%超の貿易品目で輸入関税を撤廃する。牛肉や乳製品など豪州産の農産物の輸入拡大につながる内容。

 

具体的な輸入関税では、日本側は焦点だった豪州産牛肉を現行の38.5%から段階的に引き下げる。加工用食品に使う冷凍牛肉を18年目に19.5%、国内産と競合する冷蔵牛肉は15年目に23.5%にする。乳製品ではブルーチーズを10年かけて関税を2割減らすほか、小麦は飼料用を無税にし、食糧用は将来見直す。コメは関税撤廃の対象外とした」。(2014.4.8日経新聞朝刊)

 

日豪のEPA妥結で、TPP交渉の進捗が加速するはずだ。とするとアメリカやニュージーランドなど他の農業国に対する日本の農畜産物市場開放が現実のものとなる。

 

日本の農畜産物市場の開放は日本企業の海外農業先進国への進出をも加速することになる。日本国内では規制緩和の遅れから企業の農業への進出はハードルが高い。日本企業は国内で農業に進出するより、海外で農業に進出するほうが容易だ。

 

しかもEPATPPで海外からの日本への農畜産物関税が軽減ないし撤廃されることになれば、海外農業に資本投下して日本市場を攻める戦略がきわめて有効になる。

 

こうした戦略で一歩先を行くのがイオンだ。イオンは豪州タスマニア島で直営牧場を経営し年間16千頭の牛を日本に輸出している。こうしたビジネスモデルがEPA,TPPによって優位性を増す。

 

海外農業国での農畜産業の展開は日本企業にとって、日本のマーケットを対象にするばかりでなく、その射程距離はアジア全域に広がりを持つことになる。

 

日本の小売業や飲食業さらには食品業の海外展開を考えるとき、農畜産品の原料調達基地を海外の農業先進国に持つことは必須の前提になるはずだ。この流れがEPATPPによって強く背中を押されることになるのは間違いない。