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09日 7月 2014

読書ノート:EXILE HIRO著『ビビリ』(幻冬舎刊)

 

 HIROは超がつくほどのビビリだ

 

 

 

EXILEのリーダーとしてEXILEを日本一のエンタテインメント・チームを築いてきたHIROが実は「ビビリ」だったなんて。と誰もが思うに違いない。

 

でも本人は自分は「ビビリ」で気が小さいから、いろいろなリスクが誰よりも気になってしょうがない、と言う。

 

だからこそ逆に、ライブの企画にしても細部にこだわり、綿密な計画を立て、しかも関係者全員でそれを共有して実現にたどりつく。

 

典型的な事例がある。東京ドームでのEXILEのライブの前にリハーサルを行ったときのことだ。秋田に施設を見つけて本番で使うセットを組み立てて、それを利用してリハーサルをおこなう。東京から50台のトラックをしたててセットを運んだ。

 

照明も音響も本番と寸分違わない状況を創り、当然その運営にあたるスタッフも本番と同じメンバーを数百人も動員してリハーサルを行う。総額5億円を要したということだ。

 

こう見てくるとHIROは「ビビリ」だから、それも「超」がつくほどの本格派「ビビリ」で、その「ビビリ」に完ぺきに導かれて成功してきたというわけだ。

 

 

 

EXILEはなぜいつまでも人気が衰えないのか

 

 

 

「ビビリ」のHIROは徹底的にこだわる。EXILEへのこだわりは完ぺきだ。通常EXILEのようなアーティストのチームはメンバーを固定にする。したがって製品ライフサイクル仮説ではないけれど、成長期、成熟期ときて衰退期にという経路を辿る。

 

HIROは成熟期を迎えたEXILEに永遠の命を吹き込み、ロングライフのブランドに仕立て上げることを画策した。

 

そのための方法が新陳代謝だ。成熟期に達したメンバーを成長期のメンバーに替え、メンバーは替わってもEXILEというブランドは替わらない、むしろ継続的に生まれ変わって進化するブランドに仕立て上げた。ブランド価値の継続的な進化を狙ったわけだ。

 

新陳代謝と言ってもそう次々に優秀なメンバーを育てあげられるわけではない。しかし代わりのメンバーがいなければ新陳代謝はスムーズには行かない。

 

このジレンマを解決するためにHIROは二つの手を用意した。一つは公開オーディション制度だ。EXILEのボーカルに欠員が出たとき、全国のアーティストに声をかけてオーディションを実施した。これには2万人の応募があった。2万人から一人を選抜するプロセスを公開し、その成り行きにEXILEファンを巻き込んでいった。

 

有能な才能を発掘する方法の二つ目は、ダンススクールの運営だ。EXILEをマネジメントする(株)LDHは全国にダンススクールを開業し、今では4000人に達する生徒にレッスンを施している。なんと4歳の子供たちからダンスのレッスンに励んでいる。

 

こうした英才教育でダンス・アーティストのすそ野を広げ、最高の環境を用意して才能を発掘し育成する装置を創りつつあるのだ。

 

更に大事なことがある。成熟期に達したメンバーは新陳代謝のためにEXILEを離れ、独り立ちする。独り立ちしてもソロで活動できる固定ファンを形成しているから、ソロ活動でも十分に営業が可能だ。

 

そのためにEXILEのメンバーとして活躍している間に、アーティスト一人ひとりのブランド価値にも磨きをかけてきている。

 

つまりEXILEはチームとしてのブランドと、メンバーひとりひとりの個人としてのブランドというかたちでのブランドの二重構造になっているわけだ。

 

このような仕掛けを前提にして初めてEXILEは永遠の命を獲得することが可能になったというわけだ。

 

 

 

HIROは優秀なアントレプレナーだった

 

 

 

このように見てくるとHIROはアーティストであると同時に優秀なアントレプレナー(企業家)であることがわかる。

 

事実HIROは(株)LDHの社長として250名をスタッフとして抱える中堅企業のオーナー社長なのだ。EXILEのライブだけで100万人の観客動員がるから、客単価一万円としてもこれだけで100億円に達する。(株)LDHの燃焼は優に100億円を超えているのではないかと推計される。

 

HIROはEXILEというブランドを開発したアーティストだけでなく、LDHというユニークな企業を成長に導いたビジネスマンとしても超一流ということができる。

 

本書「ビビリ」はそういうわけでビジネス書として読んでも面白いのだ。

 


 

 

 

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