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20日 8月 2014

TPP交渉における農業国アメリカの真の狙いにどう対抗すればよいか

 

「貿易や国境を越える投資を促す国際的なルール作りが停滞している」(日経新聞8月10日朝刊)そうだ。

 

「かつて自由貿易を支えた世界貿易機関(WTO)は先進国と新興国の対立で機能不全が鮮明。7月末には多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)の貿易円滑化の採択がインドの反対で頓挫。経済効果1兆ドルともされる目玉が宙に浮いた。

 

WTOの迷走で進んだのが2国間など中小FTAの乱立だ。日本貿易振興機構によると、検討中の案件を含め、FTAは世界で380件を超える。

 

こうしたなか、メガFTAはWTOの穴を埋める新秩序として期待が集まる。2013年は日本のTPP参加表明など世界で交渉が本格化。通商関係者には「奇跡の年」とまで言われた。だが、火付け役のTPPの停滞が熱気に水を差す」。(同)

 

ところでTPP交渉の停滞の原因はなんであろうか。

 

農業国アメリカの農産畜産品をグローバルマーケットに押し出し、これまで以上の市場拡大を実現することがTPPに賭けるアメリカの至上命題だ。そこでアメリカはTPP加盟国の農畜産品に対する関税の引き下げと非関税障壁の撤廃を目指すことに力が入ることになる。

 

ここで重要なのは非関税障壁の取り扱いだ。とりわけ食の安全にかかわる安全基準をアメリカに合わせ、グローバルスタンダードにすることがアメリカの最重要課題になるということだ。

 

そしてTPP対象国の食品安全基準をアメリカ並みにする狙いは、単にアメリカの農畜産業の要求にとどまらず、アメリカの農畜産業に種子、農薬、肥料などを提供する産業を構成する巨大企業の要求にも基づくことだ。

 

つまり種子、農薬、肥料産業の目論見は、諸外国の食品安全基準をアメリカ並みにすることで、アメリカのみならずグローバルにマーケットを拡大することにつながるわけだ。

 

こうしたアメリカの目論見にEC諸国は警戒心をもって対抗している。

 

 「「明確な科学的判断に基づくべきだ」。6月中旬、ブリュッセルで米欧が開いた環大西洋貿易投資協定(TTIP)交渉。農作物の安全規制緩和を迫るビルサック米農務長官に欧州連合(EU)高官は「食品の安全問題はテーブルに載っていない」と突き放す。調査によると、ドイツ人の9割超が欧州の食品、環境、自動車安全などの基準は米国より信頼できるとみている。「TTIPは欧州の価値観への脅威だ」と警戒論が巻き返す」。(同)

 

TPP加盟国のなかでもオーストラリアやニュージーランドはアメリカに匹敵する農畜産業国だ。従って彼らはアメリカの食品安全基準のごり押しに抵抗はしない。

 

勢いTPP交渉においては日本だけがこれに抵抗を示すことになる。

 

この状況の打開に当たって日本はECと共同歩調を組むことが賢明なやり方になる。つまり食品の安全基準に関してはECと日本が協働して国際的に妥当な安全基準を策定し、これをグローバルスタンダードとして押し出していく戦略的な行動が求められているということだ。

 

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