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01日 12月 2014

減税は企業の地方移転促進策の決め手にならない

地方創生がアベノミクス第三の矢の柱の一つだ。政府は企業の本社や研究組織の地方移転の促進のために税金の優遇策を実行する。

「政府は東京から地方に本社機能を移す企業の税負担を軽減する方針を固めた。移転企業がオフィスなどをつくるために投資する金額に応じて法人税を割り引く案が有力。地方税である固定資産税や不動産取得税の負担も軽くする方向だ。働く場を増やして地方から東京などへの人口流出を抑えるのが狙いで、来年度にも始める」。(日経新聞朝刊2014.11.30)

人と情報とマネーが東京に集中している。特に千代田区、港区、中央区への大企業の中枢機能の集中が著しい。この狭い区域への機能集積は異常なほどだ。

以前地方に本社機能を置いていた企業も現状ではほとんどが東京に主要機能を移している。

かつて東京と並んで企業本社が集中していた大阪も、大阪本社を構えていた大企業が徐々に東京へと本社を移転し、それにつれて経済都市としての機能が細り、地盤沈下が進んで現在では昔日の面影はない。

東京への一極集中それ自体が集中を加速させているということだ。

こうした一極集中の要因は何よりも政府機能の東京への一極集中だ。さらに言えば政府機能が絶大な中央集権の体制を構築していることがその根本原因だ。我が国の中央主権体制の形成は遠く織田信長の政治体制にまで遡る。

織豊時代から延々と継続され、明治期になって富国強兵政策の遂行のためにより強固なものになった中央集権体制は社会主義国と肩を並べるほどの強靭なものになっている。

こうした状況にあってわずかばかりの減税をインセンティブにしただけでは企業の地方移転を促すはずはない。この国の強固な中央集権の統治機構を壊さないかぎり大企業の本社を地方に移転することなど無理なことだ。

所詮減税の甘い蜜を吸おうとこすからい企業が形だけの本社移転を企てようと応じるのが関の山で。地方再生にはまったく効能はないと知るべきだ。

中央集権統治機構の改革の実現は百年河清を俟つ類の話になるので、もう少し現実的な改善案を出すとしたら、現状の権力機構のままでも中央官庁の本庁機能を地方へ移転させることなら意思決定すればすぐにでも可能になる。

つまり政府機能の地方移転だ。庁舎とスタッフを半分だけでも地方へ引越しさせればいいだけだ。省庁ごとに移転先は重ならないように調整すればいい。

地方都市に中央官庁の役人が多数移り住み、さらにはそこに向けて多数の人々の移動が起こり、東京から地方そして地方から東京への出張も頻繁になり、まさに地方都市の活性化の導火線になるはずだ。

国会が東京にあるので中央官庁の地方移転は叶わないという反論が聞こえてくるが、現在の最先端のテクノロジーを活用すれば、居ながらにして同席していると錯覚するほどの臨場感のある会議システムがすでに存在するので、まったく問題はない。

政府が企業に「地方へ移れ」と言う前に自ら範を示すということだ。「まずは隗より始めよ」ということ。


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コメント: 1
  • #1

    渡部結 (火曜日, 01 9月 2015 22:08)

    その通り

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