マックの誤算

マクドナルドがまたしても異物混入で炎上中だ。次々と異物混入の情報がネット上で報告されそれが急速に拡散した結果だ。2006年の不二家事件が思い起こされる。

なぜここまで多くの異物混入のクレームが増え続けているのだろうか。

「マクドナルドの基準によると、4件は食中毒やおまけの不具合といった広く消費者に告知する案件とは異なり、公表せずに『個別対応するもの』(事業会社日本マクドナルドの菱沼秀仁取締役)だった。『管轄の保健所にすべて報告する』(青木取締役)など従来通りに対応。それぞれの件で消費者には謝罪し、返金も申し入れたという」。(日経新聞2015.1.8朝刊)

この記事によると、マックでは個店ごとに対応して済ませる問題と、全国的な対応をする問題を区分していた。ここに今回の事件拡大の根本原因が隠されている。

一般に食品メーカーの事故対応は、例えば異物混入がクレームとして上がると、即座に異物混入が見つかった商品と同日の製造日の問題商品の出荷止めや流通並びに消費者からの回収が行われる。

問題商品だけでなく同一工程で生産されたすべての商品の回収も行われるケースが多い。「ベヤングソース焼きそば」の異物混入の場合もそのような処置が初動で取られ、その後全商品の生産中止に至った。

このように全国規模で販売されている商品は、問題の発生時点でその実態を消費者に伝え、該当商品の回収や生産設備上の不備があればその販売中止を意思決定している。

全国に店舗展開している外食チェーンでも個店で発生した異物混入であろうと、それを全国の店舗で同様に発生するかもしれない問題と受け止め、全国的な対応をすることが消費者から求められているはずだ。

それをあくまでも個店固有の問題と受け止めて、個店限りで対応をしてそれで一件落着と考えるマックの常識が消費者の常識と完全にかけ離れてしまったというわけだ。

まさに情報はネットを通じて全国に、全世界を駆け巡ってしまうので、個店限りの問題にとどめることはできない状況が出現しているということだ。

同一商品を例えば地域ごとに複数の工場で生産しているメーカーや、コンビニエンスストアにとってもマックの蒙っている試練は他人事では済まされすに、やがて自身の課題になると考えた方が良い。