JA全中の社団法人化は政府の支配権を強化する

全国農業協同組合仲介と政府・自民党によるJA全中の組織改革の協議が決着した。2019には従来型のJA全中は廃止されることになった。改革の内容は次の通り。

  1. JA全中を社団法人に組織改革し、地域農協に対する指導・監査権限を廃止する

  2. 業生に対する「建議権」を廃止する

  3. 「全国中央会」、「地方中央会」の名称はす

  4. 全中は地域農協の総合調整機能、代表機能を担う

  5. 地域農協の監査は監査法人が行う

  6. 地域農協から全中への監査量80億円は廃止される

  7. 農産物の集荷・販売を行うJA全農は株式会社化する

改革の狙いは、中央集権的な全国一律の農業政策が行われたことで衰退の危機に瀕している日本農業を、地域農協の自主性、自律性を引出して、地域ごとに個性豊かな農業、農村振興を実現して再生を図ろうとすることだ。

全国一律にコメの栽培を奨励し、コメが余り始めると全国一律に減反政策を実施してきたことが日本農業をみじめな姿に追い込んできたわけだから、全国一律の政策からの農家の解放は日本農業の再生にきわめて重要なことになる。

しかし農協組織が全国一律の農政を支えてきたわけではない。政府、農水省自体が全国一律の農業政策を実行してきたわけで、これまでは政府とJA全中が農家に対して支配権を発揮してきたのが、今後は政府だけが農家に対して支配権を保持し、発揮することになるわけだ。

政府だけが中央集権的な強大な支配権を握る形になるということは、全国一律農政がさらに強力に推し進められる危険性を孕むわけだ。

ほんとうに必要なことは政府の全国一律農業政策の実行を廃止することに他ならない。そして現在農業振興策と称して計上されている予算をすべて見直し、使途自由の補助金として地域農協にゆだねることではないか。

このくらいの改革がなされないとひん死の状態にある日本農業は再生しない。