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04日 3月 2015

加工食品メーカーが四重苦から脱出できる道はあるのか?

「原材料高や人件費の上昇などで収益性が厳しい加工食品。出荷価格の引き上げを表明するメーカーも相次ぐ。にもかかわらず、調味料や飲料、カレールーなど主要商品のトップブランド100品目のうち、67品目は2014年の1年間で店頭の販売価格が下落した。消費増税後、一段と強まった節約志向。メーカー、小売りは身を削るコスト削減を迫られている」。(日経新聞2015.3.4朝刊)

円安を引き金に海外に原材料を依存している加工食品企業にとって原材料価格が継続的に値上がりしている。

にもかかわらず消費税の引き上げ以降消費者の節約志向が一段と強まっている。消費者は1円でも安い売場を選択する。

消費者の意向を反映して小売業はメーカーから原資を引出して、価格競争にしのぎを削っている。メーカーも価格競争に負ければ一気に操業率が下がり、利益率が危険水準に陥る。

しかも大手小売業はPB(プライベートブランド=自主企画)商品を武器にメーカーに出荷価格の引き下げを要求する。

「ギリギリまでコストを削り込んだ製粉大手。『自助努力でどうにかなる水準を超えている』と取引条件の改善を訴えたものの、小売り大手の対応は『PB商品で棚は埋まる』と取り付く島もなかった」。(同)

「メーカーによる値上げ表明が前回相次いだのは07年前後。当時と大きく異なるのは消費者に浸透したPBの存在だ。年間17兆円の加工食品市場のうち、PBは3兆円規模に達している。PBを盾に小売り大手が圧力をかけ、『一部のメーカーは商品を置いてもらうために厳しい取引条件を飲まざるを得ない状況に置かれている』(大手卸社長)」。(同)

かくして加工食品メーカーは円安による原材料価格の上昇、消費者の節約志向、さらには小売業のPB拡大戦略の三重苦に直面している。

この三重苦に加えて厳しさを増しているのが物流費の上昇だ。労働集約的な物流業は人手不足とそれに伴う人件費の上昇という厳しい経営環境に直面している。

この状況にあってメーカーの物流費も強い上昇圧力を受けている。

メーカーを取り巻く四重苦への対応の一つが限定商品の提案だ。

価格競争のターゲットになるのはロングセラーの定番商品だ。定番商品とともに売場の活性化のために提案される商品が限定商品だ。

季節限定、期間限定、地域限定、小売チェーン限定というかたちで定番商品とはひと味違う価値提案を目的として売場に提供されるのが限定商品だ。

限定商品は定番商品とは違って、内容量とか価格について消費者にとっての暗黙の標準というものが存在しない。

限定の価値が認められれば定番商品とは次元の違う価格設定が可能になる。こうした限定商品をタイミングよくしかも消費者にとって魅力的な実体価値を伴って提案できれば価格競争から自由な空間を手にすることが可能になる。

しかも小売業にとっても限定商品は価格訴求をせずに売り上げを創ることが可能になるので、粗利率の増加をもたらす商材として歓迎される。

こうしたプロダクト・イノベーションが実現できるかが加工食品メーカーの命運を分けることになっている。


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