「国際金融経済分析会合」は「愚者の会合」だ

 

政府は16日、世界経済について有識者と意見交換する「国際金融経済分析会合」の初会合を開いた。

 

この席で日銀の黒田東彦総裁がジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大教授にこんな問いを投げかけた。

 

「『不可思議なことがある。アベノミクスのもとで企業収益は改善し労働市場も引き締まっている。急速な賃上げが起きるのが普通だと思われるが、実際の賃上げのペースは緩い』」

 

スティグリッツ教授は米国では職探しを諦めた人が失業者に分類されないなど『失業率が労働市場を正確に表していない』と指摘。『失業率とインフレ率の関係が瓦解してきている』と語った」。(日経新聞2016.3.17朝刊)

 

世界経済の経済政策の中心に据わる経済学者並びに経済官僚たちがこんな間抜けた議論をしていることにあきれ果てた。

 

グローバル化した市場経済の只中では各国政府が打ち出す経済政策はもはや効力をまったく喪失してしまっていることにいまだに気付いていないということに驚かざるを得ない。

 

たとえば未曾有の金融緩和を実行しても企業は最も有効な投資先を世界中に求めるから、国内の民間投資が増加することはありえない。

 

企業は世界中の多国籍企業との競争に明け暮れているから、製品価格は世界水準に収斂し、したがって賃金も世界水準に収斂するので、利益が増加したとしても賃金を上げるビヘイビアにはつながらない。

 

こんな単純な事実をさておいてすでに陳腐化した一国経済の枠内でしか通用しない議論に血道を上げている「国際金融経済分析会合」はまさに愚者の会合と言わざるを得ない。