アベノミクスに何らかの成果を期待することはできない。
マクロ経済を金融政策や財政政策によって操作可能だと考える政府や日銀の思考回路そのものがすでに誇大妄想というバグを内包しているのであるから。
為政者たちのこの思い上がりに基づく思考法を根絶しない限り市民が豊かさを享受する世界の実現は覚束ない。
誇大妄想の思考によって生み出された、現実離れした巨額の金融ぺレーションに有頂天になるのではなく、この国で起きている様々な不都合の真実に丁寧に向き合い、その一つ一つに現実的な解決策を見出していくことが求められているのだ。
例えばいまやコメの生産がおこなわれている水田は全国で120万haであるのに対して、休耕田は100万ha、耕作放棄地は40万haにまで及んでいる。つまり利用されていない水田が稼働中の水田をはるかに上回るという実態がある。
しかもこの膨大な農地という未利用資源のムダを維持するために巨額の補助金が支給され、その挙句の果てに市民は高価格のコメを買わされている。
農地という大事な資源を耕作することで活かすことこそこうした膨大なムダを排除する唯一の途であることは誰が考えても納得できる話だ。
コメが余剰作物であるなら輸入に頼っている大豆、小麦、飼料用とうもろこしなどの畑作生産を奨励すればよいわけだ。
畑作の生産が増えることで、畜産農家への飼料供給も輸入に頼る必要が減少し、畜産業の拡大が期待され、同時に家畜の堆肥が畑作農家に供給されるという良き循環がしっかりと形成される。
こうして39%にしか過ぎない食料自給率は改善され同時に農畜産品の輸入が減少してGDPは拡大に向かう。
金融資本主義から決別しこうした実体経済の再興に向かう途だけが市民に幸せをもたらす唯一の方途なのだ。
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