「スマートテロワール」宣言

「スマートテロワール協会」が24日に発足予定です。

弊社代表の中田康雄は当協会の理事に就任予定です。

本日11月22日の日経新聞朝刊に意見広告を掲載しましたのでそれをここに再掲いたします。

お目通しいただければ幸いです。

 

 

TPPが頓挫して、先ずは一安心 だが油断できないトランプの2国間交渉

 

いまこそ、「スマートテロワール」で砦を築いて日本の食料自給力を拡充しよう!

 

 

 

TPPには日本の農業を衰退に導く罠が仕掛けられていた

 

畜肉について関税率を段階的に削減し16年目に牛肉は関税率9%(現状38.5%)、10年後の豚肉の関税1kgあたり50円(現状482円)。

 

この畜肉に関する約定は、他のどの約定にもまして危険です。畜肉の「自由化」は『国のかたち』に係る大問題だからです。

 

現在日本人のカロリー摂取量は、稲からは25%程度、畑作穀物(小麦・大豆・トウモロコシなど)からは55%で、圧倒的に畑作穀物が必要とされています。しかし残念なことに畑作穀物(畜肉や油脂に形を変えているものを含む)は米国をはじめ海外からの輸入に依存していますので畑作穀物の国内生産量を拡大し、自給率を上げることが日本農業再生にとって急務です。

 

この畑作穀物生産量の拡大にとって欠かすことのできないのが畜産業から提供される「堆肥」です。

 

しかし畜肉の関税が下がると畜肉が海外から大量に押し寄せ、国内の家畜の肥育頭数が減少し、畜産業が衰退することになります。影響はそれだけにとどまりません。畑作穀物が増産の推進力である堆肥を失って、日本農業再生の道が閉ざされることになります。このように畜産業の衰退は我が国の将来に大きな禍根を残すことになるのです。

 

 

 

トランプ次期大統領はTPPから脱退しても、農産品の関税引き下げを迫る

 

米国による日本の農業干渉の歴史は終戦直後の「農地開放」に始まり、防共政策と食料支援政策をセットにして米国の庇護を受ける1954年のMSA協定につながります。この軍事外交と食料をワンセットで米国に依存する政策は1960年安保改定とそれに伴う「農業基本法」で決定的になります。

 

「農業基本法」の主題は、穀物は米に集中し他の穀物は米国などからの輸入に依存する「選択と集中」の方針でした。いわゆる「加工貿易立国論」です。十勝地方には有数の畑作地であるのに稲作奨励策を説きに来た農林省の役人を「米はやらない!」と言って追い返した有名なエピソードが残っています。

 

当時わが国で耕地は600ha、栽培は800haで食料自給率73%でした。二毛作と裏作をしていた地域があっての数字です。それが現在耕地450ha、しかも100haは休耕田というありさまです。自給率は39%にまで低下しカロリー換算量で米国から輸入する食料と変わらないまでになりました。

 

孤立主義の意思を強めているトランプ次期大統領がそのことを知れば、やはり軍事外交と食料安保を天秤にかけてこれまで以上に自国農畜産品の輸出拡大に向けて厳しい圧力をかけてくるのではないでしょうか。

 

TPPがお蔵入りすることで安心はできません。むしろTPP以上の脅威が日本の農業を襲うことに備えなければなりません。

 

 

 

日本は本気になって食料自給力を拡充しなければならない

 

世界を席巻したグローバリゼーションの潮流は大きく潮目を変えて、保護主義へと逆流するかのように見えます。しかしグローバリゼーションの対極は保護主義ではありません。反グローバル化の潮流は「国際分業の流れ」に代わって国内で活用されていない未利用資源に光を当てる「サスティナビリティ」(持続可能性)の活動として再認識すべきです。

 

我が国の未利用資源に100万ヘクタールを超える休耕田や40万haを超える耕作放棄地があります。これを畑地や放牧地に転換すれば小麦や大豆やトウモロコシなどの畑作穀物さらには畜肉の自給率が一挙に向上します。

 

また穀物は食品加工場を必要とします。農村に食品工場が立地(農工連携)すると日本人口の1/2が住んでいる農村部で雇用機会が拡大し、所得は大幅に伸長し、元気になります。

 

また食品工場は女性の活躍する職場となり女性が農村部にUターンする流れを作りだし、少子化にも歯止めがかかることも期待できそうです。

 

今こそ田畑転換によって畑作穀物の生産を拡大し食料自給力を揺るぎないものにする最後の機会なのです。

 

 

 

食料自給率拡充への道は堆肥の活用が拓きます

 

欧州では、1000年以上前に「三圃式農法」として畜産と畑作の循環型農業が標準になりました。その頃日本では畜肉食を禁じられていたために堆肥の活用は畜産業が勃興した明治時代をまたなければなりませんでした。

 

堆肥は微生物の活動を促し有機物成分を分解、活性化し健全な土壌をつくります。穀物の輪作体系も土壌を元気にします。これらの相乗効果で収穫量も30年あれば2倍にできます。収穫量が2倍になることは耕地が倍増することに等しい効果を生みだします。その反収増が自給率70%を可能にします。

 

農薬と化学肥料と行政の施策によって損なわれた国力の源である「大地」を再興する途が堆肥の活用によって大きく拓けてくるのです。

 

 

 

反収量の増加で、悩み多い市場経済を卒業することができます

 

「契約栽培」が食品加工場と農家との間の取引形態(農工連携)を牽引します。

 

「契約栽培」(農工連携)は市場相場や為替レートに影響されない安定した価格と究極の品質を追い続ける好循環を生みだします。

 

「契約栽培」は生産過剰の心配をなくします。農産物の過剰は飼料として畜産業が引き受けるからです。つまり家畜は過剰な食料の貯蔵庫でもあるということです。また飼料の過不足の調整は輸入飼料が引き受けることになります。こうして豊作貧乏はなくなります。

 

耕畜連携と農工連携が両輪となって「テロワール」(独自の気候風土を共有する地域自給圏)を産み出します。

 

地域内の農家と食品加工場、さらには外食店、小売業の努力を地域内の住民が誇りにし支援するという形で各プレイヤーの連携が深化し、進化していきます。

 

これが自給圏「スマートテロワール」の目指す姿です。日本の豊かさはここから実現していくはずです。そして日本の食料自給力拡充の活動もこの「スマートテロワール」を砦に力強い歩みを始めることになるはずです。

 

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コメント: 1
  • #1

    島崎 豊村 (月曜日, 12 12月 2016 07:12)

    時代に逆行する松尾構想では何も解決しない。国産バイオテクノロジーによる農畜連携こそ解決の道

    飯山 一郎 グルンバ Lecg イノベーション

    L ライフ  健康(不老長寿) 中国酵素と豆乳ヨーグルト

    E  エネルギー 藻類バイオマスによるバイオ石油の商業生産 

    C クリーン 生活排水(都市下水)の浄化再生

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