政府は22日、30年度の温暖化ガス排出量を、
13年度から46%減らす目標を公表した。
国内の温暖化ガス排出量の約4割を発電部門が占めている。
46%目標の設定に伴って、
経産省は発電部門の脱炭素電源の割合を、
現在の24%から50%以上を目指す方針を掲げた。
この時の電源種類別の現状値と30年目標値は以下の通りだ。
・再生可能エネルギー 18%→30%台
・原発 6%→20%
・化石燃料火力 76%→40%台
原発がカーボンニュートラルに不可欠の前提として、
大手を振っての登場となっている。
しかもこの目標は原発の数字を、
30%まで引き上げないと実現しないという含みを持たせてさえいる。
とすると原発は全基再稼働、更に増設も視野に入ることになる。
原発は地震大国日本にとって国を滅亡させるほどのリスクだ。
福島原発のメルトダウンが大地震による、
配管、配線の破談、機能不全によって引き起こされた、
しかも原子炉格納容器の爆発や、
使用済み核燃料プールの蒸発が、いくつもの偶然によって幸いにも回避された、
という事実がこれを雄弁に物語っている。
とすれば原発はあくまでも稼働ゼロを前提に、
長期的な目標設定をしなければならない。
原発が封じ手であるとすれば、
再生可能エネルギーと省エネだけを手段として追求することしか方法はない。
この戦略目標を設定することで、
日本のエネルギー産業の革命的な再構築が可能になる。
それは同時に日本のエネルギー産業が世界的に圧倒的な競争優位に立つことにもつながるはずだ。
かつて排出ガス規制を世界で最も厳しい基準でクリアーした、
日本の自動車産業が、世界を席巻したように。