日経新聞21年4月23日朝刊によると、
米国の脱税額が年間1兆ドルにも及ぶらしい。
「IRS(米国内歳入庁)のチャック・レティグ長官が、
4月13日の米上院財政委員会の公聴会で、
脱税の規模は年1兆ドルに上ると推定されると証言した。
脱税額の大半は、米国の納税者の所得上位1%によるものだ」。
なんとも巨額な脱税が見逃されていることか。
バイデン政権の掲げる8年間で2.1兆ドルのインフラ投資の、
4年分に相当する額だ。
かくも巨額な脱税がなぜ放置されているのか。
その要因は二つ。
一つは杜撰な税法。
「米国の税法は悪名高きザル法として知られる。
実際、2020年、米ナイキや米フェデックスを含む米最大手の企業55社は、法人税を全く納めていない。
55社で総額にして約400億ドル(約4兆3000億円)もの利益を上げた、
にもかかわらずだ」。
二つめの要因はIRSのリストラが継続し、
税務調査が骨抜きにされていること。
「IRSは11年以降、予算を実質計20%近く削られてきた。
その予算はGDP比で見ると約3分の1減らされた形だ。
削減された税務調査官は約1万7400人に上り、
その多くは非常に熟練した人材だった」。
バイデン大統領はトランプ時代に35%から21%に引き下げられた法人税を、28%まで引き戻す方針を示している。
増税と脱税の回収を合わせれば、
米国政府の財政赤字は最も簡単に解消されるに違いない。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20210423&ng=DGKKZO71266570S1A420C2TCR000