テロ対策などから原発の核物質のある区域の出入りは、
厳重に管理しなくてはならないが、
日経新聞5月20日朝刊によれば、
原子力規制委員会は19日、
4原発で核物質がある防護区域の管理が不十分だったと発表した。
具体的には、
・ 福島第2原発では1~4号機の防護区域境界にある出入り口で金属探知機の手続きに不備があり、指摘を受けて扉を閉鎖した。
・ 同じく福島第2原発では不要になった社員のIDカードの回収を怠っていた。
・ 浜岡原発では関連会社従業員が立ち入り手続きをせずに原発内に入った。
・ 伊方原発では周辺防護区域に至る場所で閉鎖措置が不十分な開口部があった。
・ 柏崎刈羽原発でテロ対策の不備が発覚した。
このように東京電力、中部電力、四国電力の原発で、
ずさんな管理状況が指摘された。
原発事故は福島原発の事故で明らかになったように、
国の存亡を左右する巨大なリスクを抱えている。
この巨大なリスクを管理する能力を持つことはある意味で不可能に近い。
ましてやこのような危険なシステムを防御するための、
施設入退所管理すらできない企業が、
原発の持つ巨大なリスクに対する管理能力を備えることが可能だとは、
全く考えられない。
米国ではハッカー集団の社会インフラへの攻撃が、
社会生活を脅かす事件が発生している。
こうした新たなリスクの発生も次々に予想される。
原発のリスク管理はますます困難を極めることになる。
地震や火山噴火などの自然災害への備えも、
人為的なテロによる攻撃への備えも日本の電力企業には手に余る。
原発は即時に停止し、廃炉への道を歩むことを決断すべき時期にきている。