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05日 10月 2022

「カテナX」はオープン・イノベーションのプラットフォームでもある

欧州はデータ収集や企業間連携の世界でGAFAMに対抗するプラットフォームを構築する独自の動きが進んでいるようだ。(日経新聞10月4日「ドイツカテナに勝てるか」https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20221004&ng=DGKKZO64826870T01C22A0TCR000)

ドイツで一部稼働した自動車産業の官民プラットフォーム「カテナX」がその典型例だ。

「部品の受発注から設計、デザイン、決済まで現実世界でやってきた工程をサイバー空間に段階的に移転し、産業構造を一変させるという。

カテナはラテン語で『鎖』。その名の通り、世界中のサプライヤーやIT企業、金融機関などをつなぐ一方、モノの動きをデジタルツインで連携して、車1台1台が材料の段階から廃棄される瞬間までを記録してもいく。

最終形は『万能工場』だという。『顧客にほしい車を届ける』を起点にして、最も早く生産し、届けられる完成車工場に、価格と技術面で最も適したサプライヤーが部品やシステムを納める。

特徴は競争領域、協調領域、ルール領域の3層に企業活動を再編する点だ。日本勢の得意なすり合わせや系列取引が持つ強みを協調領域にしてしまう可能性もある」。

 

EVが自動車産業の主流になれば、精密なすり合わせの必要性は下がり、協調領域の自由度は拡大し、自動車企業は自社の競争優位を確保するための企画、開発に鎬を削ることになるだろう。

 

「欧州の伝統的に得意なルール形成の力、すなわちデジュール(政策的な標準化)戦略とも一体で動いており、二酸化炭素(CO2)排出や経済安全保障に関する情報開示をカテナXとひもづけていく可能性もある」。

 

こうした欧州の自動車産業の動きはテスラ社の戦略と比較するとまさに正反対の方向を示している。テスラはソフト、ハード両面で自社開発を基本方針としている。EVを制御するOS

をはじめとして電池や半導体すら自前で開発し、自社工場で生産している。

テスラは自前主義に固執することで、製品の継続的な進化そしてイノベーションを加速させることを目論んでいるように見える。

EVは個車のデータを常時収集し、このデータを活用して製品の改善、進化を常態化し、その累積がイノベーションに繋がる。テスラはこれまでの自動車には考えられなかったEVのこの特徴を完璧にそしてアジャイルに実現することを目指して完全自前主義にこだわっているように思える。

これに対してドイツのカテナは製品の改善、進化をオープン・イノベーション方式で実現する道を選択したと言えるだろう。「三人寄れば文殊の知恵」がカテナによって生まれるのだ。もちろん改善、進化のニーズは消費者との接点を持つ完成車メーカーが提出し、それに部品メーカー、ソフト開発社が答えることになるだろう。

さらには部品やソフトの製造企業自身も自らの生産物のコストダウンや品質改善に独自の改善、進化を目指すことになり、ここでも文殊の知恵が生まれることになるはずだ。

いずれの方式がより大きな付加価値を生み出すだろうか。

人類の文明は分業によって進化してきたとするなら、カテナ方式に軍配が上がると見るべきかもしれない。

日本はここでもまた周回遅れの惨状を呈している。

少なくとも「カテナX」に積極的に参加して、個社では実現できないオープン・イノベーションの一翼を担う取り組みを一刻も早く進めるべきだ。

 

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