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自身の想いを大切に、世界を視野に入れたビジネスを 

中田

その後も様々な企業の取締役を歴任され、現在は出身地である高知県でコンテンツビジネスを育成するプロジェクトを手掛けられているそうですね。具体的にはどういった内容で、どんなことを伝えているのでしょうか。

武市

 

そうですね。現在、私の出身地である高知県で「高知コンテンツビジネス創出育成委員会」を提案しその会長をしています。

 

今、高知は日本一高齢化が進んでいるにも関わらず、若者の働き口がないといった問題を抱えています。そこで、県や地元の銀行と一緒に"高知を活性化したい"という想いでスタートさせました。

 

高知県以外でも、起業を目指す人達に、講演などを通じて私の想いを伝えています。起業のアドバイスとしては、まず世界を視野に入れたビジネスをしていこうと伝えています。

 

2100年には人口が5000万人を切ると言われている日本ですから、最初から日本だけで考えるのはもったいない。世界で戦える市場を選べということです。

 

商材や市場はどんなに小さくてもいいので、世界に持っていけるもので勝負しようと伝えています。

 

中田

 

"世界を視野に"ということを伝えられているのですね。他にもございますか。

 

武市

 

掛け算のビジネスをしようということです。つまり、収益逓増型になっているかどうかを見極めること。足し算のビジネスの場合、売上を伸ばすためには、どうしてもコストも伸びていってしまいます。だから、環境の変化に弱いですね。

 

あと、ビジネス特許を含めた知的財産も重要です。なぜなら、唯一独占を許されるビジネスだからです。

また、今は、ネットワークがビジネスだけでなく文化にまでなろうという時代なので、それを活かせるといいですね。

 

あとは、これが最も重要なのですが、自分の特性を活かした"キーワード"や"想い"です。自分の一番やりたいことや成し遂げたいと思うことを選択することです。

 

今の私で言うと、"キーワード"は「高知」ですし、"想い"は「高知を活性化させたい」ということです。その想いが最終的に仕事の成長を左右すると思っています。

 

中田

 

確かに、それは一番大切なところだと思いますね。私もカルビーの創業者とは長い付き合いがありましたが、2代目、3代目の社長となると"想い"の部分では、どうしても創業者には勝てません。

 

カルビーの創業者も本当に24時間、会社のことを考え続けていました。事業に対する濃厚な想いがあることが、大きな仕事ができる根源にもなるし、成功の源にもなりますね。

 

ところで、起業家に求められる資質という面では、どうお考えでしょうか。

 

武市

 

信念と持続力です。信念がすぐに折れると事業を継続することはできませんし、信念を貫くことが、夢の実現につながります。もちろん、成功するまで続ける持続力も重要です。

 

また、周囲を見ると世のため、人のためといった社会的な信念を持っている人が成功していると感じますね。自分のやっていることが世の中を変えることができるという想いが重要ではないでしょうか。

 

中田

 

社会的な信念という意味では、スティーブ・ジョブスは「世の中を変えていく製品を作り、その製品を作り続ける会社を作る」と言っていました。

 

創業して成功している人たちは、事業についてとことん考え抜いていると思います。"なぜ?"を繰り返すことで、思考回路を積み上げ、その中からすごいアイデアや企画を出してきます。

 

武市

 

そうですね。起業家の資質の中で、考える能力やアイデアを出す能力はすごく重要です。ただ、それだけでは企業を成長させることは難しい。「社会の何かを変えたい、信念もある」という状態で、それをさらに成長させるには補佐役の存在も欠かせません。

 

二人三脚で一緒に事業を行う人が側にいるかどうかで、その後の企業の成長速度は変わってきます。

 

中田

 

同感です。

ナンバー・ツーに恵まれるかいなかは決定的に重要ですね。そしてナンバー・ツーは補佐役と参謀のそれぞれが揃っていることが必要ですね。

 

歴史的人物の豊臣秀吉を例にとれば、弟の秀長が補佐役で、竹中半兵衛や黒田官兵衛が参謀としてよく機能していましたね。

 

特に補佐役としての秀長の存在は、秀吉の日本制覇のための外交官、何もかも飲み込んでいる秘書室長あるいは営業本部長として重要な役割を担っていました。補佐役の秀長を喪ってからの豊臣政権はある意味で衰退期に入り込みました。

 

そういう意味では補佐役の存在は軍師である参謀よりは大きいのかもしれません。

【経営者に必要なのは理念を明確にして人に伝える能力】

 

中田

 

現代でも、こういった関係を構築することが企業の成長にとって重要なんでしょう。この2つの役割を同時にこなせる人はなかなかいないと思いますが、いかがでしょうか。

 

武市

 

やはり、経営者の資質と起業家の資質は異なると考えています。私を例にするならば、スクウェアでは夢や才能のある開発陣が、技術的な強さを武器に企画・制作を引っ張り、私が企業戦略や安定性、魅力ある企業制度などを担うといったように自分が補佐役に回っていました。

 

他の企業でもこのような形で経営に携わることが多かったです。起業家の資質は0を1にする人。経営者は1を100に、また10000にできる人。だからこそ、そのような2人が一緒になることはすごく大切です。

 

企業を成長させるためには、この両輪がうまく機能することがポイントになるのではないでしょうか。

 

中田

 

おっしゃる通りかと思います。ちなみに、スクウェアでは3代目の社長として就任されたそうですね。その際、創業者の方はすでに会社にはいなかったのですか。

 

武市

 

創業者の方は、かなり早い段階でスクウェアをお辞めになりました。その方は、創業者がリーダーシップをとることが、会社の成長に必ずしも繋がらないと感じていたようです。

 

スクウェアが成長するにつれて、次第に能力の高い人たちが増えて来たと感じたようです。彼らを見て、早々に自分以外の能力のある人たちに経営を任せた方が良いのではと考えていたようです。もちろん、創業者の方は他にやりたいことがあったという面もありますが。

 

中田

 

それはすばらしい考え方ですね。創業者は普通、組織内に自分より優れた人がいても、自分が先頭に立って引っ張っていきたいと考えます。それが、成長のネックになるケースは多々あります。スクウェアの創業者は、会社の成長を見据えた上ですばらしい引き際を実現されましたね。

 

では、最後に先ほど起業家と経営者の資質が異なるというお話をされていましたが、経営者の資質とはどのようなものとお考えでしょうか。

 

武市

 

経営者の資質から見ていくと、経営者は理念を明確にできることが重要です。まずは、企業がどういうことを大事にするのか? など、理念を明確にして人に伝える能力を持っていることが重要です。

 

また、社会のこの先の変化を見据えて、目的地を定め、自分たちはそこに行くんだという道標を示す必要がありますし企業経営は継続が大切。常に遠くを示す必要があります。

 

あとは、決断する力です。なかにはすべての情報を集めないと決断できないという人がいますが、経営者であれば、その時にある情報やその時の状況で判断を下さなければなりません。トップが判断しないと周りは動けませんし、仮に、その時の判断が間違っていても、すぐに引き返すことができます。

 

これらの能力をしっかり発揮することができれば、組織は成長していくと考えています。

 

中田

 

会社は、その人の器以上にはなりません。起業家の方々が会社を成長させたいと思ったら、経営者の資質を持った人たちを近くに置く必要がありますね。人間一人の力はたかが知れていますが、100人集まれば1×100以上の力を出すことができます。

 

しかし、ただ集めただけでは、その力は発揮されない。それを導いていくリーダーがミッションとビジョンを明確に指し示し、それに共感して集まった人々のシナジーを引き出す役割を担わなければならないということですね。

 

本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

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